政治・国政交流

聖路易通信 1904年セントルイス万国博覧会「アイヌ村」からの便り

定価2,750円(税込)

稲垣陽一郎/著 田辺陽子/編 四六判、並製、392ページ

文明とは? 未開とは?
神学学徒の見た「アイヌ村」住人と米国人


1904年(明治37)年3月18日、幼子ふたりを含む計9人のアイヌの人たちが、横浜港から客船エンプレス・オブ・ジャパン号に乗船し、アメリカ・セントルイスを目指して出立しました。その目的は、同年、セントルイスで開催された万国博覧会で、日本の先住民としての日常の暮らしぶりを入場者に披露する(展示する)ことにありました――。

著者の稲垣は、「監督役・通訳」として彼らに同道、翌年元日に帰朝後、一行を北海道に送り届けるまでを「聖路易通信」として「基督教週報」に寄稿、アイヌの人たちのアメリカでの生活ぶりや欧米人の先住民族に対する意識、アメリカ社会の様子などを、読者に、つぶさに伝えました。
本書は、その全二十一信を、解説などとともに一冊にしたものです。

稲垣陽一郎:
牧師、神学者。1876年(明治9)〜1949年(昭和24)。和歌山県生まれ。1900年(明治33)、東京三一神学校入学。「基督教週報」の創刊にかかわった。病を患い休学。その後、健康の回復のために北海道へ。米国に留学、日本聖公会神学院校長を務めた。

田辺 陽子:
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)教育研究所博士候補生。主な研究テーマは「先住民族と教育」。早稲田大学、コロンビア大学教育大学院卒。


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