定価1,980円(税込)
寺澤辰麿・著 四六判 196ページ 2016年4月15日発行
大蔵官僚、国税庁長官、そして在コロンビア特命全権大使を務めた著書が、日本人には馴染みの薄い、コロンビアの近現代の政治、経済、社会の実態を紹介しています。
「2007年8月から2010年9月までの三年間余、コロンビアの日本国大使館で勤務する機会を得ました。
その時、日本におけるコロンビアに関する情報の欠如を痛感しました。コロンビアと聞いて治安の悪さをイメージされませんか?
確かに1980年代から1990年代にかけて反政府武装ゲリラや麻薬密売組織との戦いにより世界で最も治安の悪い国の一つではありましたが、2002年就任したウリベ大統領の民主的治安対策の効果もあり改善しています。
コロンビアは中南米の国々の中で最も安定した経済成長をしています。中南米で起きた1980年代前半及び1990年代後半の債務危機・通貨危機とも無縁でした。
しかし、政府が定めている「基礎的な生活水準」を維持できない世帯の割合は約30%、にもかかわらず、生活に満足している人は90%を超えています。
過去の災厄から脱皮しようと必死に努力している「若い国」コロンビアの真実の姿を、多くの方に認識していただくことを願います。」著者より