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定価1,980円(税込)
川良浩和・著 大河原典子・絵 四六判 上製 274ページ
日本人が忘れつつある、かけがえのない“心”を次の千年へ
世界や日本の激動を記録する報道ドキュメンタリーを制作してきた著者は、50歳を過ぎた頃から、日本の山河をめぐるようになりました。もちろん、それはNHKの番組として結実したものも多くありますが、旅の中で見たもの、感じたものは、言葉となって蓄積され、ここにエッセイ集、『千年のうたかた』として、壊れた時代に日本人の魂のありかたを問うことになりました。著書には3年にわたり旅に同行した画家大河原典子さんの絵が表紙を飾り、本文に挿まれたスケッチが旅の雰囲気を伝えています。
山河を巡り、そこに宿る、神と仏、命の本質を描き出したエッセイ集
<目次>
第一章 千年の古都 方丈記の世界に生きる人々 ――絵 山鉾を出す町に、そびえる松
第二章 祗園に咲く老木の花 ――絵 祗園白川にかかる巽橋と桜/伝統建築保存地区の入り口付近にある辰巳大明神
第三章 草の響きと、風の盆 ――絵 おわらの舞台、ぼんぼりが並ぶ街/最高潮の女踊り、男踊り、鏡町の踊り場
第四章 壊れた時代の新年に伝えたこと ――絵 富岡製糸場 赤レンガの東繭倉庫
第五章 日光・月光菩薩 春の旅立ち、背中に涙した東京の人々 ――絵 薬師寺金堂の日光菩薩
第六章 千年に一度の出来事、ふりかかった歴史の中での私の時間 ――絵 円覚寺の庵から北鎌倉駅を見下ろす
第七章 神の気配を、感じる ――絵 御旅所にできた神様の仮の宿/神様が通った翌日の春日大社参道
第八章 神と仏の山河、白洲正子 祈りの道を往く ――絵 熊野那智滝、流れ落ちる水の柱/那智滝遠望と三重塔
<著者・挿絵画家紹介>
川良浩和(かわら・ひろかず)
1947年生まれ、佐賀県の有明海に面した町で育つ。早稲田大学第一文学部卒。NHKスペシャルなど200本に及ぶ報道ドキュメンタリーを制作。新聞協会賞、文化庁芸術作品賞、放送文化基金賞など受賞番組多数。現在、作家、プロデューサー、ドキュメンタリー塾川良組監督。著書に「絆〜高校生とヒロシマ」「我々はどこへ行くのか」(ともに径書房)「闘うドキュメンタリー」(NHK出版)などがある。
大河原典子(おおかわら・のりこ)
1976年生まれ。日本画家。2004年東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学日本画専攻博士課程修了。博士(文化財)。薬師寺蔵国宝「吉祥天画像」復元模写。大徳寺方丈重文狩野探幽筆「猿曳図」復元模写(田渕俊夫他東京藝術大学)。2000年院展初入選、以降佐藤美術館、百貨店、美術画廊はじめ各所にて個展を開催。