トップページ > 出版物 > 政治・国際交流 > オランダ小史 先史時代から今日まで
定価2,750円(税込)
ペーター・J・リートベルゲン/著 肥塚 隆/訳 四六判 292ページ
2018年8月21日発行
オランダのラドバウト大学のリートベルゲン名誉教授が著したオランダ通史の邦訳。原著は12版を重ねる人気の書であり、オランダ人の書いたオランダの歴史書の翻訳本は他に類のない1冊。
本書はオランダのラドバウト大学のリートベルゲン名誉教授が著したオランダの通史の邦訳である。原著は12版を重ねる人気の書であり、オランダ人の書いたオランダの歴史書では日本で唯一のものになる。訳者は大使として同国に赴任しているとき、この本に出合った。
先史時代、古代、中世を含み、スペインからの独立闘争と海外に貿易網を展開した黄金時代に始まる近世以降の歴史は特に詳しい。政治・軍事面だけでなく、いくつもの大河が北海に注ぐ西欧の低地地域に位置する自然条件がもたらす影響、オランダをオランダたらしめた経済や幅広い文化の発展の歴史も、多数の名画や美しい風物の写真とともに紹介している。この国のことを知りたいとする人には是非読んで頂きたく、既にある程度ご存知の方もなるほどと思われることが多いのではないだろうか。
オランダの人口は1700百万人ほどであるが、日本との貿易総額はEUでも上位に入る。直接投資の分野では、当時米国向けに次ぐグローバル二位の残高があった。また、海外から日本への投資国としても、米国に次ぐ二位であった。経済の絆は深く厚い。
また、日本とオランダの関係は400年以上前に始まり、日本にとって江戸時代を通じて勿論西洋との交流の唯一の窓口であり、知識の源であった。この間オランダは国のあり方に大きな変遷を経ているが、これは日本でどの程度知られていただろうか。
さらに、西欧各国の歴史は密接に入り組んでいるが、今日でも同じできごとについての見方が同じとは限らない。日本だけでなく、西欧でもいま歴史の見直しが進んでいる。歴史好きの方はこのような点にも興味を引かれよう。
やはり、オランダの歴史を知るにはオランダ人の書いたものを見て頂きたい。
(訳者著「私の本」より)